メガデモ勉強会!2018で発表しました

3/10(土)に開催されたメガデモ勉強会! 2018で発表しました。

発表タイトルは「もっと綺麗で写実的な絵作りをしたい!レイマーチング向けのシェーディング技術」です。

発表の概要はこんな感じです。

  • レイマーチングのおさらい
  • レイマーチングでいい感じにシェーディングするための理論と実践
    • 写実的なレンダリングに不可欠な 大域照明 を説明
    • 大域照明を構成する間接照明を近似する AO を説明
    • レイマーチングによるAO計算の実装を図で解説
  • レイマーチングによるマテリアル実装のベストプラクティスを紹介

AOがどういう意味を持つのか、大域照明にどんな関係にあるのか、などを学んでいただけたら嬉しいです。 レイマーチングによるAO計算の動作原理を図で解説した日本語の資料は見たことが無いので、 この発表を聞いて「なるほどな」と思ってもらえれば幸いです。

発表の紹介と感想

自分以外の発表について、自分の感想を混じえながら紹介します。

@notargs さんの「デモのためのUnity講座」

去年の末にUnityによるデモを作成を試みていたところだったので、参考になる情報がたくさんありました。

音響にエフェクトをかけるためのOnAudioFilterReadで入力を無視して波形を作れば、プロシージャルに音楽も作れますね。 良いことを知りました。

@soma_arc さんの「鏡映によるフラクタルとGLSLによる描画」

ずっと聞いてみたかった内容でした。資料も説明も上手で理解しやすかったです。

以前にブログで紹介した距離関数のfoldに近いものを感じました。

foldでは平面の鏡を使いましたが、この発表では円形の鏡を使うイメージだと理解しました。

円の鏡映では、まず円形の鏡を配置します。すると鏡同士で相互に反射するので、合わせ鏡のように、映り込んだ円がさらに再帰的に別の円の鏡に映り込みます。反射の再帰の深度に応じて色をつけると、単純な円から美しい模様が生成できると理解しました。

円の外にテクスチャを置いた例や、2D -> 3D に拡張した球の鏡による例も紹介されていました。

@FL1NE さんの「TokyoDemoFestとFRONTL1NEのご紹介」

Tokyo Demo Fest 2018 は10月〜11月に開催予定!

Meet the Meatのパワーワード感がすごい!

@FMS_Cat さんの「GLSLで音楽を作ります」

シェーダーで音楽を作ってみたいと思いながらも、音楽知識が0で諦めていた私のような人のための発表でした。

資料も説明も素晴らしくて、素人の私でもすっと頭に入ってきました。

「ステレオサウンド」「音量・音階・音色」「コード」のような基礎用語の説明がカバーされていて助かりました。 GLSLの実装を踏まえた説明だったので、よく知らない音楽の概念も理解できました。

特に印象的だったのは楽器編成です。 sin波や矩形波といった単純な波形をベースにして、本物の楽器のような音色を作れることに感動しました。

またコードを構成する音からランダムに音を選択し、オクターブもランダムに変化させることで、 ランダムながらかなり曲っぽい感じになることにびっくりしました(アルペジオ?)。

音楽は諦めかけていましたが、この発表のおかげで自分で音楽を制作する道筋が見えました。 発表で使われたコードはGitHubでも公開されているので、実際にShadertoyで動かして理解を深めているところです。 素敵な発表ありがとうございました!


勉強会から帰宅した後、FMS_Catさんの発表でオススメされていた「Moleman 2」という動画を家で見ました。 メガデモの起源から現在に至るまで、メガデモの歴史を1時間30分に凝縮された動画になっていて、デモシーナー必見の内容でした。

さいごに

ずっと気になっていた内容を聞けて大満足でした。どの発表も資料も説明も分かりやすくて素晴らしかったです。 懇親会では、以前の自分の発表でレイマーチングを知って、卒業制作にレイマーチングを使ったという学生とお話しました。 自分の活動を通して何かを得た人もいるということに嬉しくなりました。

メガデモ制作のモチベーションが高まってきたので、今年の10〜11月のTDFに向けて頑張りたいです!

運営の方々、発表者の方々、会場を提供していただいたさくらインターネット様、ご参加いただいた方々、ありがとうございました!

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